結婚したら将来のこと、お金のことなど色々な事を考える時間が多くなりどうすれば良いのか悩むことも多くなってきます。
自分が死んだら家族ってどうなるんだろうと考えた時に思い浮かぶのは生命保険なのでは無いでしょうか?
生命保険になんとなく入らなければいけないとは感じつつもどんなものがあるのか?必要な保障はなにか?いくら保障が必要なの?とわからない事が多くあると思います。
今回は生命保険について特に自分が死んだ時の保障ができる死亡保険についてどんな種類がありどんなものに入れば良いかわかるよう解説したいと思います。
生命保険の種類は大きく分けて「死亡への保険」「病気・ケガへの保険」「将来への保険」の3つあります。
死亡への保険は遺された家族の生活の為に入るのが目的です。
病気・ケガへの保険は自身の医療費や入院費の備えとして、そして療養中の収入の補填として入るのが目的です。
将来への保険はこれから起こる教育費や老後の資金などライフイベントに対する資金への準備が目的となります。
今回は遺された家族を守るために加入する死亡保険について解説していきたいと思います。
「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると生命保険の世帯加入率は89.8%となっており多くの人が生命保険に加入している事がわかります。
世代別に見ても29歳以下 70.2%、30〜34歳90.7%、35〜39歳89.4%となっています。
全体 | 89.8% |
29歳以下 | 70.2% |
30〜34歳 | 90.7% |
35〜39歳 | 89.4% |
加入目的で見ると「医療費や入院費のため」が多く59.0%となっており上記生命保険の種類でいうと「病気・ケガへの保険」を目的に加入している人が多い事がわかります。
その次に多い理由は「万一のときの家族の生活保障のため」52.4%、「万一のときの葬式代のため」12.4%となっておりこちらは「死亡への保険」を目的として加入している事がわかります。
医療費や入院費のため | 59.0% |
万一のときの家族の生活保障のため | 52.4% |
万一のときの葬式代のため | 12.4% |
老後の生活資金のため | 9.1% |
子どもの教育・結婚資金のため | 7.8% |
災害・交通事故などにそなえて | 7.8% |
貯蓄のため | 5.8% |
介護費用のため | 4.8% |
万一のときのローン等の返済のため | 3.4% |
財産づくりのため | 2.5% |
相続および相続税の支払を考えて | 1.6% |
税金が安くなるので | 1.6% |
土地・家屋の取得・増改築のため | 0.2% |
その他 | 1.1% |
不明 | 0.6% |
世帯主の普通死亡保険金額(全生保)の平均は、1,386万円(前回1,406万円)となっています。
世代別に見ても29歳以下 1,440万円、30〜34歳1,793万円、35〜39歳1,945万円となっており1000万円後半の金額で準備されている人が多いようです。
全体 | 1,386万円 |
29歳以下 | 1,440万円 |
30〜34歳 | 1,793万円 |
35〜39歳 | 1,945万円 |
世帯主の疾病入院給付金日額(全生保)の平均は9.8千円となっています。世代別に見ても29歳以下 7.3千円、30〜34歳9.3千円、35〜39歳12.0千円となっており中でも35〜39歳の年齢が全年齢の中でも一番多く準備しているようです。
全体 | 9.8千円 |
29歳以下 | 7.3千円 |
30〜34歳 | 9.3千円 |
35〜39歳 | 12.0千円 |
世帯の平均年間払込保険料(全生保)は、37.1万円(前回38.2万円)となっています。
世代別に見ると29歳以下 21.5万円、30〜34歳26.2万円、35〜39歳38.2万円となっており月に直すと1.79万円から3.18万円を毎月支払っていることになります。
全体 | 37.1万円 |
29歳以下 | 21.5万円 |
30〜34歳 | 26.2万円 |
35〜39歳 | 38.2万円 |
上記で生命保険の種類は3つありそれぞれに入る目的があることを説明しましたがその目的が今の貯蓄や収入でカバー出来るのであれば保険に入る必要はありません。
ただその保障額が問題で死亡保障に関しては数千万円単位で準備が必要になってきます。
多くの家庭はそれほどのまとまったお金を準備しておくというのは難しいのでは無いでしょうか?
ではその保障額とはいくら必要で、その内訳ってどんなものがあるのかをここでは死亡への保険に絞って考えてみたいと思います。
考え方としては現時点から妻(配偶者)の平均余命までの全ての支出から年金等の社会保障や妻(配偶者)の収入、現時点の総資産を引くことで計算できます。
必要死亡保障額 = 総支出 – (総収入 + 総資産)
この計算式は「必要保障額積み上げ方式」と言われる計算方法でFPの方や生命保険会社の方など多くの人がこの考え方を基本として必要死亡保障額を計算しています。
生活費は末子の独立までの生活費とそれ以降の子が独立した後の妻の生活費で考える必要があります。
末子の独立までは現在の生活費の70% × 年数(末子独立時の年齢 – 現在の年齢)
末子の独立以降は現在の生活費の50% × 年数(末子独立時の配偶者の平均余命)
居住費はマイホームか賃貸かで考慮する金額が変わってきます。
マイホームの場合
住宅ローンを組んでいる場合はローンを組む際に団体信用生命保険に加入しているかと思いますので契約者が死亡した場合にはローン返済が無くなります。
ただペアローンの場合は配偶者側のローン返済は無くならないので残債がいくらになるのかを把握しておくことが必要です。
またそれ以外にも都市計画税・固定資産税、火災保険料、地震保険料、修繕費は死亡後も維持費として掛かってくるので年間40〜50万円を支出として考慮する必要があります。
家賃の場合
家賃の場合は現在の家賃×12ヶ月×配偶者の平均余命で計算できます。
ただし現在の賃貸に住み続けるのか他の物件に引っ越すのかや実家に帰るのかなど色々な選択肢がありますのでまずはどうするのかをよく考えることが重要になってきます。
教育費は進学コースをどうするのかで大きく変動するのでどこまで保障するのかよく考える必要があります。
公立 | 私立 | |
幼稚園 | 47.2万円 | 92.4万円 |
小学校 | 211.2万円 | 999.9万円 |
中学校 | 161.6万円 | 430.3万円 |
高校 | 154.3万円 | 315.6万円 |
出典「令和3年度子供の学習費調査」
大学の種類 | 大学入学から卒業までにかける教育費用 |
私立短大 | 366.5万円 |
国公立大学 | 481.2万円 |
私立文系 | 689.8万円 |
私立理系 | 821.6万円 |
両家から援助してもらえる援助額の平均額は181万円です。
なので半分の90.5万円が目安になります。
出典「【親が知っておきたい】結婚のお金|ご祝儀は?お金はいくら必要?」
葬儀費用の平均は118.5万円です。
出典「いい葬儀【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり」
遺族年金には遺族基礎年金や遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金は国民年金や厚生年金に加入している人が亡くなった場合に遺族(子のある配偶者か子)に支払われる年金です。
ただし子とは18歳到達年度末の末日までにある子と定められています。
なのでそれ以降の遺族基礎年金の支給は残念なことに支給されなくなります。
遺族厚生年金は厚生年金に加入している人が亡くなった場合に遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母など)に支払われる年金です。
こちらに関しては基本的には子が18歳を超えても一生涯支給され続けます。
ただし妻が30歳未満の場合は5年間の支給になってしまいます。
下記は子のある妻が子が18歳になるまで受け取れる年金額の早見表です。
早見表
平均標準報酬額 | 遺族厚生年金 | 遺族基礎年金 | 合計額 |
---|---|---|---|
25万円 | 30万8,306円 | 105万0,800円 | 135万9,106円 |
30万円 | 36万9,967円 | 105万0,800円 | 142万0,767円 |
35万円 | 43万1,628円 | 105万0,800円 | 148万2,428円 |
40万円 | 49万3,290円 | 105万0,800円 | 154万4,090円 |
加入年数25年(300ヶ月)子ども1人の条件で計算
配偶者の年金には老齢基礎年金や老齢厚生年金があります。
現在の収入や世帯主が亡くなった場合に働き始める場合はその金額も考慮します。
勤めている会社で弔慰金や死亡退職金が出る場合もありますので調べておくと良いでしょう。
保険の種類には貯蓄機能があるものや掛け捨てタイプのもの、一生涯保障する商品や期間を定めて保障する商品があります。
その中でも期間の定めがある定期保険がおすすめです。
ここではざっくりとどんな種類がありその特性などを解説しなぜ定期保険なのかと言う理由を解説したいと思います。
死亡保険の種類は大きく分けて「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3つあります。
定期保険は一定期間の死亡または高度障害状態になった場合を保障する保険です。
保障する期間が限定的であるためその分保険料が他の種類と比べると一番安く抑えられます。
また保険料が安いので高い保障額を付けるのに向いている種類になります。
終身保険は加入時から一生涯に渡って死亡または高度障害状態を保障する保険です。
保険料は定期保険よりも割高になりますがその分、解約返戻金があることや保険料が一定などのメリットもあります。
養老保険は死亡保障と貯蓄機能が合わさった保険です。
保険期間は60歳までなど期間の定めがありますが保険期間終了時には死亡保険金と同じ額の満期保険金が支払われます。
また保険期間中に死亡または高度障害状態になった場合は死亡保険金が支払われます。
定期保険をもう少し細分化すると一時金として一括でもらえるタイプと、毎月一定額をもらえる年金タイプがあります。
さらに一時金タイプには、「定額」「逓減」タイプがあります。
※逓増タイプもありますが一般家庭を対象にしていますのでこの記事では含めません。
おすすめのタイプは年金タイプの定期保険で「収入保障保険」という名称で各生命保険会社から販売されているものです。
なぜ「収入保障保険」なの?
まずおさらいとして死亡保険はもしものときに遺された家族の生活を守ることが目的です。
そして守るために必要なお金が必要死亡保障額になります。
その必要死亡保障額は最終的には配偶者の平均余命までの保障しているので当然毎月必要死亡保障額は減っていきます。
そうすると時が経つにつれ加入時に契約した保険金額は過剰になってきます。
例
30歳の必要死亡保障額は「3000万円」保険金額「3000万円」
31歳の必要死亡保障額は「2700万円」 保険金額「3000万円」300万円過剰に入っていることになる。
収入保障保険の保障金額は毎月減っていくという特性があります。
つまり必要死亡保障額が時が経つにつれ過剰になってしまうという問題を解決できる商品になっているということです。
なので収入保障保険をおすすめします。
ただし大学の教育費など多くのお金が必要な場合は定期保険で準備しておくことも必要です。
生命保険のどんな種類があり自分にとって必要か?そして保険商品について説明させていただきました。
死亡保険を検討されている方は「収入保障保険」を中心に探してみることをおすすめします。
ただしライフイベントには入学費用などまとまったお金が必要になるときがあります。
その場合毎月受け取る性質がある「収入保障保険」では対応できない場合があります。
なのでまとまったお金が必要な場合は必要な額だけあらかじめ一括で受け取っておくか一時金タイプの定期保険で準備しておくなど考慮が必要なりますので注意してください。
今回の記事がこれからのライフプランのきっかけになったら幸いです。